1970年代のアメリカ。女性弁護士、ルース・ベイダー・ギンズバーグが勝利した史上初の<男女平等>裁判。法の専門家たちに100%負けると断言された裁判で、どうやって大逆転を成し遂げたのか。
86歳の今なお現役の最高裁判事であるルースがどんな女性かにも迫ります。
ルースを演じるのは、アカデミー賞ノミネート経験もあるフェリシティ・ジョーンズです。
ビリーブ ネタバレあらすじ
勉強することもままならない貧しいユダヤ人家庭に生まれたルースは、努力し名門コーネル大学に入学し、政治学の学士号を取得しました。在学中に出会ったマーティン・ギンズバーグと結婚し、娘を出産します。その後、彼のあとを追ってハーバード大学法科大学院に入学します。当時500人の新入生のうち女性は9人。「男子の席を奪ってまで入学した理由は何か」と学部長に問われルースは驚きます。
協力的なマーティンと家事、育児を分担しながら勉強する日々。マーティンが生存率5%の癌に倒れてしまいます。「絶対にあきらめない」と、何ひとつあきらめないルース。マーティンの講義にもすべて出席しました。マーティンは、献身的な看病で回復し、代わりにまとめてくれたノートのおかげで無事卒業し、NYの弁護士事務所に就職も決まります。
その一方でルースは、NYのコロンビア大学に移籍ののち首席で卒業するも、「女性・母親・ユダヤ系」であることを理由に仕事が決まりません。
自分自身が弁護士になりたかったのに、ラトガース大学で教授となり、弁護士を目指す学生たちに性差別と法について教えることになりました。日に日に不満が募りマーティンにぶつけてしまいます。
そんなある日。
マーティンに見せられた訴訟の記録は、親の介護費用控除が認められなかった男性の事例でした(チャールズ訴訟)。法律は、親の介護は女性の役割だと定めていました。もしこの法律を憲法違反だと認めさせることができれば、男女平等への第一歩となるのではないかと、ルースは弁護を無償で買って出ます。
15歳に成長した娘と夫が全面的に応援してくれています。
しかし、これまで守ってきた男女を区別するすべての法に影響するのではないかと気づいた政府までもが、ルースをひねりつぶそうと圧力をかけてきます。
ルースの闘いの行方は―
RBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)はどんな人
アメリカの女性をリードする86歳現役最高裁判事であり(1993年にクリントン大統領が指名)、男女平等や女性の権利のために長年闘ってきた人物です。アメリカにある程度の期間住んだことのある人なら必ず聞いたことのある名前で、女性にとっては英雄的存在なのです。
いまやJFK(ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ)やFDR(フランクリン・デラノ・ルーズベルト)などと並び、イニシャルで知られる著名人の仲間入りもしていて、彼女がデザインされたTシャツやマグカップなどもよく売れています。
2018年に肋骨を折って入院した際はアメリカ中の注目を集め、「全力で仕事ができているうちはここに残る」と述べ、引退の意思がないことを明言しました。
2019年5月ドキュメンタリー映画『RBG』が日本でも公開されています。
また、ドナルド・トランプ批判で、リベラル派のアイコン的存在でもあります。
マーティン・ギンズバーグはどんな人
男女の役割にまつわる当時の常識を片っ端から覆していった男性。1950年代に専業主夫のように料理や子育ての大半を担っていたのは、男性としてはかなり珍しかったことでしょう。それを彼は「これが僕の幸せ」と言わんばかりに貫きました。
彼の協力があったからこそ、ルースは自分のやりたい研究や仕事がいつでもできました。ルースは、自分の成功はマーティンのおかげだといつも言っています。
二人は共鳴しあい、チームとして互いを支え、互いを笑わせ、なおかつロマンティックな関係であり続けました。真の友であると同時に、心から尊敬しあっていました。
しかも卓越した弁護士でもありました。
そして、演じたアーミー・ハマーがユーモアと知性にあふれ本当に魅力的でした。
結末
完全アウェイな法廷で、最強のチームを敵に回したルースは、闘いに勝ちました。
時代の変化とともに法律は変わらなければならないという、ルース自身の信念と正義感の勝利です。
時代は1970年代に突入し、フェミニズムの機運は高まっていました。しかし当時男女不平等を認めた法律は178もあり、ルースはその後、それらの矛盾を1件ずつ追及して勝訴し、数々の成功を収めていきます。
チャールズ訴訟とは
男女差別について憲法に照らし合わせて争った初めての裁判です。しかもここで差別されているのは、結婚したことのない男性でした。当時の法律は、家は女性が守るものという考えに基づいていたために、問題となった税金の控除も、女性もしくは妻を亡くした男性だけが受け取れる仕組みになっていました。
そこにマーティンとルースは目をつけ、この裁判に勝ったことで、何百という条項が見直され、男性も女性も、つまり誰もが暮らしやすい社会になっていったわけです。
感想
力を持った男たちに囲まれている小さなルースが浮かびます。キリッとした目と尖った唇。いつも決して気を抜きません。
そういえばマーティンも小さなルースが愛おしくよくからかっていましたが、こちらは仲睦まじく本当にほほえましいシーンでした。
法律用語も満載で、難しい場面も多いんです。緊迫の法廷シーンもあります。
でもこの映画は、気負う必要は全くありません。
男女平等を訴えるというと女性に不平等があることが多いけれど、この映画は逆だから、女性だけのための物語でもないし。
原題は「性にもとづいて(ON THE BASIS OF SEX)」で、邦題とは少し印象が違いますね。
これからも法律は時代の変化に敏感に、その都度変わっていかなくてはなりません。時代はとっくに変わったのに法が追いつかないケースが日本でもたくさんあります。慎重に慎重に変えていかなくてはいけないケースもたくさんあります。
子どもたちの未来のために世の中は変えていけるんだということが、ルースからのメッセージです。それと、夫婦は互いに尊重しあい支えあい、笑いあうことが大事だということも。
アーミー・ハマー今までで最高でした。
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