1971年、重大事件で逮捕された少年に、世界は魅了され欲情した…
天使のように美しいカルリートスは、なぜ悪として地上に舞い降りたのか…
とてもエモーショナルなキャッチコピーの映画が、2019年8月16日に公開されます。
『永遠に僕のもの』
今回はこの作品のあらすじや実話かどうかについてお伝えしていきます。
「永遠に僕のもの」は実話なのかどうか?
この作品は1972年に逮捕されたカルロス・エデゥアルド・ロブレド・プッチに着想を得た物語です。
アルゼンチンで史上最悪の殺人犯の一人と言われる人物です。
カルロスはその美しい容貌から「死の天使」「ブラックエンジェル」と称され、当時の人々に衝撃を与えました。
犯罪からは縁遠く思えるそのベビーフェイスに、大きな話題となったようです。
「永遠に僕のもの」のモデルとなっているものは?
主人公のカルリートスのモデルとなったカルロス・エデゥアルド・ロブレド・プッチ。
その容姿からは想像もつかない程の凶悪な犯罪者。
彼が殺害した人数は11人。
逮捕されるまでに犯してきた犯罪が、この映画のモデルとなっています。
現在も服役中とのことで、現在がどのような姿なのか気になるところですが、神が愛をこめて作ったとしか思えない若かりし彼の容姿と、悪魔すら逃げ出す魂をこの作品では嫌という程感じられるはずです。
ネタバレあらすじ
ブロンドの巻き毛に大きな瞳、艶やかに濡れる柔らかな唇、陶器のように滑らかな白い肌、そんな17歳のカルリートスは呼吸をするように犯罪を犯します。
欲しいものは必ず手に入れ、目障りな者は誰でも殺す。
彼は盗みをしては借りていると考え、人を殺すのはその人の死に手を貸したと考えます。
それが彼にとっては生きているということなのです。
そんな彼が一人の青年と知り合うことで、さらにその異常性をあらわにしていきます。
ラモンとの出会い
カルリートスはある日、ラモンという青年と出会います。
荒々しいラモンの魅力に惹かれたカルリートスは、わざとラモンを怒らせ自らに興味を持たせます。
ラモンはカルリートスと同じように盗難などの犯罪を犯していましたが、それは彼の天性からのものではありません。
ラモンの父親が、彼に多大なる影響を与えていました。
ある日、カルリートスはラモンの父親と知り合い、初めて銃を撃ちます。
初めての銃…それを撃った彼の感想は「もっと撃ちたい」でした。
生きているカルリートスと、犯罪を犯すラモン
カルリートスとラモン、そしてその父は銃砲店へ強盗に入ります。
大量の銃を盗み満足したかと思われましたが、カルリートスとラモンの二人は更に犯罪を重ねていきました。
ある日、住宅に盗みに入った二人は貴金属や金目のものを盗み出し、そろそろ引き上げるというその時…不運にも家主と遭遇してしまいます。
その時、カルリートスは思わず銃を撃ち家主を殺してしまうのでした。
しかし、そこからのカルリートスは殺人に何も感じないのか、まるで坂道を転げ落ちるかのように殺人の罪すらも重ねていくのです。
盗みに押し入っても、まったく焦る様子もなく「ただ生きているだけだ」と言い切る姿からは、息が詰まるような異常性が感じられます。
そんなカルリートスの姿に、ラモンの父すら「あいつは底が知れない」と恐怖を覚える程でした。
血にまみれた天使
ラモンとチームを組んでいたカルリートスですが、彼の中で徐々に不満が膨らんでいきました。
その結果、カルリートスはついにラモンすら殺してしまいます。
そして別の人物を相棒として迎えますが、結局はその人物すらも殺してしまうのでした。
カルリートスはそれから警察に捕まり、逮捕されます。
これで物語は終わるかと思われましたが、カルリートスは優雅に警察から逃げ出してみせました。
しかし自宅には戻れないため、無人となったラモンの家に身を潜めます。
その道中で、彼は初めて涙を見せたのです。
そして一人きりの部屋で母親からの電話を取るのでした。
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感想
実話をモデルにした作品ということで、まずは主人公のその容姿や設定からまるでフィクションにするために用意されたのではないかと思える程でした。
監督のルイス・オルテガは何度もカルロスの元へ足を運び、インタビューを繰り返したそうです。
カルロス・エデュアルド・ロブレド・プッチという人物が実際に行ってきた犯罪に閉口してしまいそうですが、それを演じ切る主演ロレンソ・フェロにも驚かされます。
フェロにとっての映画初出演で、初主演だというのにあの演技というのですから舌を巻きました。
17歳のシリアルキラー、無邪気な傲慢さと脆さが合いまった危うさを見事に表現しています。
次の活躍が期待される、いい俳優だと思います。これからが大変楽しみですね。
次々と重ねられる犯罪に思わず目をそむけたくなることもありますが、キャッチコピーでも謳っているとおり、カルリートスの可愛らしい容姿を楽しむというのもアリではないでしょうか。
気になる方は、劇場でその魅力を堪能してみて下さい。